インタビュー

「だって私、色々捨ててきたもの」パラレルワーク実践者が語る自分らしい働き方の見つけ方

インタビューされる行武亜沙美さん1

「私は、今の働き方にたどり着くまでにいろいろ捨ててきた」

そう話してくれたのは、会社員としてコワーキング運営事業などに携わるかたわら、フリーランスとしても活躍されている行武亜沙美さん。

彼女は、複数の収入の柱を持ち、ひとつの仕事に依存しない働き方「パラレルワーク」の実践者です。

インタビューされる行武亜沙美さん2

2018年の春に「“発信力をアップさせる”ゼロからのやさしい図解」という記事が話題になったことをきっかけに、行武さんはフリーランスとしてのキャリアを歩み始めます。

しかし、独立からほどなくしてWebベンチャーに入社。会社員として再出発しました。

 

働き方が多様化する今日、「本当にこのままでいいのだろうか……」と、えも言えぬ不安や焦燥を感じている人は多いでしょう。

中には、独立や転職を考えてはみたものの、自分にはできっこないと気持ちに蓋をしている方もいるはずです。

 

そこで今回は、さまざまな働き方を経てパラレルワークを選んだ行武さんに、「自分らしい働き方の見つけ方」についてお聞きしました。

行武さんの働き方哲学は、これからのキャリアを考える一助になるはずです。ぜひご一読ください。

 

自分を縛ってくれるものが欲しくて、会社員に

インタビューされる行武亜沙美さん6

ーー行武さんは、フリーランスとして独立したあと、すぐに就職していますよね。フリーランスとして充分にやっていけたはずです。一体、なぜ会社員になったのでしょうか?

行武:たしかに、記事は話題になりました。しかし、それではただの一発屋。すぐに飽きられるなと思い、オフラインの場に進出することを決めました。

そんなときイベントをさせていただいた場所が、現在私が店長を務めている「コワーキングスペースhinode」でした。

ーーそんな背景があったのですね……!

関わっている人たちが素敵だったこともあり、ここだったら働いてもいいなと思いました。

その時、フリーランスとして働いていたのですが、全部自分で決めなくちゃいけない、というところがだんだん苦しくなってきて。それが楽しくもありましたが、やはり何か自分を縛ってくれるものがあった方が活動しやすいと思っていました。

そんなとき、今の会社の求人を見つけました。ここは以前イベントをさせてもらった会社だってことに気が付いて、「何かしらの縁があるかもしれないから」と応募しておいたんです。そうしてるうちに、選考も進んで就職することになりました。

 

関係性がなめらかに変わっていくことが楽しい

インタビューされる行武亜沙美さん5

ーー普段は会社員としてどのような仕事をしているのでしょう?

行武:会社員としての仕事は、

  • コワーキングスペースの店長
  • フリーランス養成事業の事業マネージャー
  • フリーランス養成事業の地域マネージャー

の3つに分けることができます。

店長としての主な業務は、スペースの掃除や備品の発注、来客対応です。一般的な接客業の店長とあまり変わりませんね。

地域マネージャーとしては、他拠点の状況把握やノウハウの共有、Twitterでの広報活動などを行っています。講座はさまざまな地域で開催されているので、欠かすことのできない重要な役割です。

ーー今の仕事は、どんなところが楽しいですか?

行武もっとも楽しいのは受講生や利用者さんとの関係性が、なめらかに変わっていくことです。

hinodeを旅立ってまた帰ってきたときに、どんなふうに成長しているのか、何をしていたのかを聞くのがすごく楽しくて。お互いにスキルアップしてるから、対等になってくるんですよね。最初は受講生と講師だったのが、だんだん同僚になってきます。

なので、みんなに気軽に帰ってきてもらえるよう、会員さんや受講生たちには意識して「おかえり」や「いってらっしゃい」を言うようにしています。

 

パラレルワーカーだから、いいとこ取りができる

インタビューされる行武亜沙美さん7

ーー会社員とフリーランスを両立していると、時間的な制約があるかと思います。何かできないことなどはありますか?

行武:できないことはないですね。ただ、時間を増やすことはできないので、フリーランスとしての図解の仕事はチームで動くなど工夫をしています。

自分の表現活動をしながら、会社の持っているリソースを使うことができる。たとえば、個人ではコワーキングスペースを借りることはハードルが高いですし、フリーランス養成事業のような大規模なプロジェクトにかかわることもできない。

パラレルワーカーだから、どっちもできるんです。私は欲張りだから全部経験しておきたいんですよね。できれば、それが人の役に立つ形で。

ーーパラレルワーカーとして、大変なことなどはありますか?

行武:時間配分が難しいですね。どうしても自分の仕事が後回しになっちゃう。なので、そこはチームを作ったりなど、仕組みで解決しています。

ーーこれから、会社員とフリーランス、どちらかをメインにしていくというイメージはありますか?

行武:どちらかをメインにするというよりは、統合したいですね。今の私には図解屋としての側面と、会社員としての側面との二つがあって。だから、どっちかというよりも、全部やりたい。欲張りだから(笑)

 

納得のいく働き方を見つけるコツは「数を打つこと」

ーー生き方に迷っている方に何かアドバイスをいただけないでしょうか?

行武とにかく数打て!(笑)やってみて、合わなければ辞めちゃえばい。やってみて、続けられそうだったら、もう少しだけ続けてみればいい。

ーーそれの繰り返しで、今の働き方にたどり着いたんですか?

行武:そうですね。だって私、色々捨ててきたもの。新卒の会社とか、パートとか。フリーランスとしてのキャリアも、自分はチームで動きたいのだと気付いてからは、たった3ヶ月で捨てました。

ーー捨てるスピードがかなり速いように感じますね……。

行武:それも場数なんですよね。繰り返していくうちに、だんだんアンテナが働くようになるんです。これはちょっと違うかもという体からの合図が、早くなってくるんですよね。

それに、最初から完璧である必要は全くありません。まだまだ途中なんだもんって開き直っちゃえばいいんですよ。私だって、これから会社員を辞めるかもしれないし、また新しい軸を増やすかもしれません。決まってなくたっていいんです。

ーー最初から完璧である必要はない……なんだか少しだけホッとします。

行武そして、できないと決めつけるのがよくない。できるんですよ、みんな。

ちょっと怖かったり、守らなければいけないものがあるのかもしれません。けど、生き方や働き方は、自分の取り分で決められるんです。自分に何が必要かを知っていれば、ちょうどいいバランスを保てますよね。

収入の柱が複数あるのが幸せなら、それを得られる生き方をした方が幸せだと思います。

でも、誰かが言っていたからというのであれば、それは不幸せ。なぜなら、自分で決めていないから。楽しいものは多い方がいいですし、嫌だと感じるものはできるだけ減らしたいですよね。すべては、そこの線引きができるかどうかだと思います。

 

取材を終えて

インタビューされる行武亜沙美さん1

「会社員神話が崩れ去り、このままでいいのか不安。でも、フリーランスになるのも怖い。」

これは、今現在会社員をやっている自分自身の悩みでもある。

 

  • 職種というものは、固定観念でしかない
  • 生き方や働き方は自分で決められる
  • 自分に何が必要なのかを知っておいて、それを得られる生き方をした方が幸せ

そんな自分に、行武さんは数多くのアドバイスを贈ってくれた。

 

きっと、働き方に正解なんてない。正解があるとしたら、それは自分で選び、決断することを幾度となく繰り返すことで見つけらるものなのだろう。

その過程で失敗することも数多くあるだろうし、傷つくこともあるだろう。

 

でも、自分の人生を変えられるのは、自分を幸せにできるのは、他ならぬ自分だけだ。

 

まずは、今すぐ変えられるところから一歩ずつ。自分に必要なものを得られる生き方を実現するために、今日から少しずつ行動していくこと。

そうした小さな積み重ねが、やがて行武さんのような幸せな働き方を実現させるはずだ。

 

話し手:行武亜沙美さん (@OTASM9

行武さんのブログ:FACTORY

撮影:高木史織(@nekosukishiori

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渡邉開意
渡邉開意
会社に務めるかたわら、カメラマン兼ライターとして活動中。インタビュー・カフェ取材・SEOライティングなどを担当。使用機材はX-T2/XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS