インタビュー

「急いで辞めなくてもいい」現役フリーライターが語るフリーランスに必要な3つの要素

社会人になって3,4年が経ち、キャリアの方向性も見え始める25歳前後。

30歳までのカウントダウンも始まり、周りの変化も増え、否応なく「これから」を意識する時期ですよね。

 

「会社員のままでいいのかな?」
「独立してフリーランスとして挑戦したみたい……」

そんな不安と期待を感じている人もいるはずです。

そこでこの記事では、フリーランスになるために必要なスキルと行動について、現役フリーランスの安藤駿也さんにお話を伺いしました。

安藤さんは、”おしゅん”の愛称で親しまれる、栃木県佐野市出身の28歳です。

大学卒業後すぐに人材派遣会社に就職し、5年間会社員をした結果「好きなことを好きなだけしたい」とフリーランスへ転身しました。

 

彼が語る等身大のフリーランス像は、「これから」を考えるよい材料になるはずです。

ぜひご一読ください。

「今の仕事は好きなのか?毎日が楽しいのか?」

―ー入社した会社は「ホワイト企業」だったと聞きましたが、どうでしたか?

おしゅん:確かに土日も休みで残業もなかった。けど、おれが一番年下だから仕事がバンバンくる。それなのに、サボってる先輩もいて。悔しかったけど「俺は下っ端だからしょうがない」って諦めてた。

ー―ちょっと理不尽な状況だったんですね。

おしゅん:そう。だから地元の友だちに会いたくて、2週間に1回は職場がある茨城から栃木に帰ってたんだよね。車で片道1時間30分くらいかな……。

仕事にやりがいを感じられなくて。「今の仕事は好きなのか?毎日が楽しいのか?」という問いに、会社員のときは答えられなかった。答えられないことがストレスだった。

―ーそこからフリーランスを目指したんですか?

おしゅん:うん。今フリーランスの何が楽しいかって、一緒に仕事したい人と仕事できることなの。おれは社長とかリーダーには向いてない。

それよりも、リーダーに強く言われた人をサポートして、「アイツああ言ってたけどね、実はこういうことなんだよ。だから一緒に頑張ってこうぜ!」って支えたい。そうやってチームで仕事をするのが好きなんだよね。

 

退社前の模索期間。会社員をしながらブログをスタート

―ー 会社員をしながら、2017年にブログを始めたそうですね。

おしゅん:知り合いのブロガー・あんちゃ主催のサロンに入会して、同世代が色んなことに挑戦する姿を間近で見てた。「じゃあ、俺も何かやってみよう」ってブログを始めた。

サロン内で「ただ書いただけだと、記事として見えないね」とかダメ出しを受けて……。内心マジかよと思いつつ、そういう環境が新鮮で楽しかった。

ー― 切磋琢磨できる環境がオンラインサロンにはあったんですね。

おしゅん:うん。サロンには会社辞めた人やブログを生業にしている人がいて、影響受けた。だから、やっぱ俺はフリーでやりたいって思った。

当時は「記事増やせばお金も発生するだろう」って思ってた。けど、それは甘い考えだったよ。

―ーその後は、 退職に到るまではどんな流れでしたか?

おしゅん:辞めるって決めた次の日には退職届を出した。かなり留意されたし、上司は「うちにいれば安泰だよ」って言うけど、そんなの分からないじゃん。

だって、おれの人生だよ。やりたくない仕事してるくらいなら「自分でやってよくね?」って。フリーでダメになっても再就職でもなんだってする覚悟だった。

 

生活することも厳しかったフリーランス初期

―ー会社を辞めてからは、どんな生活をしてました?

おしゅん:半年間くらいは地元にいたんよ。で、週4くらいで飲みに行ってた(笑)。昼過ぎに起きて、パソコンいじって、夕方5時くらいから飲みに行って。マジで税金と同じくらい飲み代に使ったもんな〜。

ー―そ、そうなんですね……。フリーランスになってから、主な仕事はライティングですか?

おしゅん:うん、クラウドワークスで案件をとって収入にしてる。おれがライティング始めた2017年は、ちょうど仮想通貨が盛り上がってた時期。仮想通貨にまつわる記事をたくさん書いてた。

その他にも、Webマーケから建築まで、さまざまなジャンルの記事を書いた。きちんと調べれたら書けるし、やりたくない仕事は切れる。だから、ライティングは苦ではなかったね。

―ーでは、自由な時間もできて、フリーランス生活を満喫してたのですね?

おしゅん:楽しくなってきた反面、金ねえなって(笑)。マジで大変だよ。最初は、記事1本書くのも相当な時間がかかるから、時給換算したらまったく稼げてない。実家にいたから生きていけたけど、一人暮らしだったら死んでたね……(笑)

―ーその他に、フリーランスになって困ったことはありますか?

おしゅん:家では仕事に集中できないから外に出るんだけど、地方は仕事ができる場所がまったくなくて。仕方がないから、ガストとかコメダ珈琲に10時間くらい居座ってた。ないんだもん、場所が。だから、自分で作ろうと思ったんだよ。今はコワーキングスペースを作る計画を練ってるよ。

 

おしゅんさんが考えるフリーランスに必要な3要素

―ー今日ではフリーランスになりたい人が増えていますが、どんなスキルや行動が必要だと思いますか?

おしゅん:この3つがあれば、フリーランスになってもブレないと思う。

  • 専門的なスキル
  • 貯金
  • スケジュール管理能力

おれはスキルもお金もないまま独立してしまった。仕事を辞めてから独学で学ぼうとしたけど、結局何していいか分からないくて、時間だけがすぎちゃった。

ー―もう少し詳しく聞かせてもらえますか?

おしゅん:それぞれ説明するね。

まずは、「専門的なスキル」。会社員の給料並みに稼げるスキルがあるのが理想だけど、まずは稼ぐ練習を会社員のうちにしてみて。安定した収入を得ながら学べるのは、会社員の特権だよ。

次に、「貯金」。自己管理の練習だと思って、半年で50万貯めてみて。1ヶ月あたり8~9万貯めれば達成できるよね。これくらいの自己管理ができないなら、正直フリーは厳しいかもね。お金が貯まったらあとはやりたいことにチャレンジするだけだよ!

最後に、「スケジュール管理能力」。目の前の辛さでいっぱいいっぱいになっちゃうかもしれないけど、少し落ち着いて、お金を貯める計画を立ててみて。この3つがあれば、絶対にブレないから。

 

会社員もフリーランスも、結局は手段でしかない

―ーおしゅんさんは、フリーランスを強く勧めするというわけでもないんですね。

おしゅん:うん、まったく。絶対フリーにならなきゃいけないわけじゃないよ。会社員とかフリーランスって、結局は手段でしかないから。

でも、フリーランスになりたいって思ってる時点で、自分の中に何か不満がある証拠。そのままにしてると一生後悔するから、動き出せる時に動き出してほしい。

―ー最後に、これからフリーランスを目指す人に一言いただけますか?

おしゅん:まず、時間は有限だってことを自覚してほしい。「何かを変えたい」気持ちは大切にしてほしいけど、勢いで辞めてもすぐには希望通りの生活にならないよ。

でも、だからって諦めるのも違う。ゼロから始めるより予備知識を持った上でチャレンジした方が、最短で臨む場所に行ける。「何からやっていいか分からない」って人は、まずは少しでも興味を持てたことから手をつけてみてほしいな。

 

取材を終えて

実は、同じ栃木県生まれの二人。

地元が好きすぎて離れたくなかったおしゅんさんと地元を離れたくてしかたなかった私だが、少しだけ親近感を抱いてインタビューにのぞんだ。

 

インタビューの最後に、彼にこれからの展望を訪ねてみた。

すぐに、おしゅんさんは答えてくれた。

「スキルを地元に持って帰りたい」と。

 

彼はこう続ける。

「フリーランスって働き方は、地方ではまだ知られていない。でも、ライティングなら子どもを見ながら在宅ワークできるよね。これからそういう世代がきっと増えるから。学びあえる環境があったらいいよね。そのためには、俺はもう少しスキルをつけなきゃいけない

……これには衝撃を受けた。

自分が望む環境をつくる姿は、私の目にはキラキラ輝いて見え、正直に言えば、ちょっとうらやましかった。

 

「自分らしい」生き方や働き方というと、ちょっと身構えてしまう。

でも、ちょっと立ち止まって、まずはやりたいことにチャレンジしてみる。すると新しい景色が見えて、これからの私の仕事も、もっともっと楽しくなっていくかもしれない。

おしゅんさんのそんな言葉は、肩の力を抜いてくれた。

 

決して誰かを否定せず、おいてけぼりになりそうな人でも「一緒に頑張ろうよ」と言える彼の側には、たくさんの仲間が集まっている。

もし、おしゅんさんが新しい「何か」を始めたら、さらに新しい仲間が集うだろう。

そこにはきっと私もいるはずだ。

 

話し手:安藤駿也さん (@oshunshunn

撮影:渡邉開意(@kaiwatanabe11

ABOUT ME
高木史織
高木史織
ライター&グラフィックレコーダー。Webだけでなく紙媒体の執筆も行なっています。インタビュー記事やイベントレポートが得意です。